京都地方裁判所 昭和54年(ワ)99号 判決
以下は、判例タイムズに掲載された記事をそのまま収録しています。オリジナルの判決文ではありません。
【判旨】
一(事故の発生と被告の責任)
原告が昭和五三年六月二六日午後七時五〇分ころ原告肩書住所地附近路上において被告が所有し占有する飼犬(昭和五二年七月生れのマルチーズ種で体長約四五センチメートル、背丈約三〇センチメートル。)に咬まれて負傷した事実は当事者間に争いがなく、この事実と原告・被告各本人尋問の結果によれば、被告は右飼犬を日頃自宅座敷中で放し飼いにしていたが事故当日たまたま玄関の扉が開け放されたままになつていたためそこから犬が路上に飛び出し、折から附近を歩行中の原告を後方から襲つて同人の左素足甲部に数回咬みついて咬傷を負わせたことが認められる。
右事実によると、被告は本件飼犬を自己のためにする意思をもつて支配していた者であると認めることができるところ、その飼育するについて相当の注意をもつて保管していたとする情況を認めるべき証拠はなく、他に右認定を左右するに足る証拠はない。そうすると、被告は民法七一八条の規定により原告が蒙つた損害を賠償すべき義務がある。
(吉田秀文)